転職事例3
今回は転職事例の続編を書きたい。 これまでの2例とは一線を画し、比較的最近(’06年)の話だ。
結論から書こう。 ’06年のサッカー独W杯で大々的にスポンサーをしていた独系製造業大手の日本法人から好条件でオファーを受けた私だったが、結局自ら辞退する事とした。
先方は、営業の上級管理職且つ直接役員に報告を行う立場を担える人材を探していた。 勿論、これだけの要職なので、それなりの実績を挙げた人材でないと候補にならない。 当時の私に、この期待に相応しい実績があったか分からない。 しかし、私なりに訴求出来る実績を挙げてきたのも事実だった。 そして、先方との接点を後押しする事柄もあった。 このブログで度々出てくる偶然ではなく必然という点。 上司となる役員は、共通の人物を通じて接点があった。 世間は狭いものである。 又、この方の現住所と私の地元は同郷という事もあった。 こういった不測の事態もあり、面接は順調に進んでいく。
初回は営業並びに人事担当役員の2名、二度目は営業、人事担当役員に加え人事部長の3名、三度目は独人社長、と着々とこなしていく。 実際、独人社長との面談は突然設定された。 二度目の面接の為先方に出向いた訳だが、途中独人社長が応接室に入ってきた。 「この後時間はあるか?」と私に尋ねてきた。 自ら面接したいと言っているのは、容易に察しがついた。 答えに選択肢などなく、「もちろん」という言葉だけを返した。 極めて重要な局面が突然舞い込んだ。 しかも、プレゼンを要人向けに微修正する時間も全く無かった。 効果的な英語の表現を組み立てる時間もない。 開き直るしかなかった。 咄嗟でもやるしかなかった。 ”少なくとも、先方のどの人材よりも私の方が営業を良く分かっているはず。 そうでないと自分の実績も残せなかったはずだ。 バタバタする必要など無い”。 大きく構え、相手を飲み込む様に振舞う事とした。 本来なら私のプレゼンが先であるべきだが、事業拡大が人材補充の背景にある点を突き、先方のプレゼンから始める様に仕向けた。 これを受ける形で、手持ちの資料を用い、具体的な事例を交え説明。 延べ30分だったと記憶しているが、十分な感触を得て、この特別第三面接は終了した。 ここからオファーに至るまでは早かった。 当然と言えば当然だった。
オファーの内容には大変満足していた。 又、 私の受入に関して真剣に取り組んでくれている点にも良い印象を持った。 但し、ある1つの信頼を置けない言動が出るまでは・・・・。
私が面接に応じた時点で、営業の上級管理職は存在していた。 この人材が組織の期待通りのパフォーマンスを示さない為、次年度から担当外とし、その替わりに外部から優秀な人材を中途採用し、組織の強化を図る事が先方の狙いだった。 私は、先方に対して、簡単な書面やメールでの確約を求めた。 採用通知書に私が署名をした際、現職の上級管理職を私のチームに置かない事を約束してもらう必要があると考えていた。 これは、転職事例2に記した通り、私自身に直接関係の無い事情や理由で、将来を左右される事を嫌っている為だ。 そんな過去の教訓もあって、私はこの点に極めて神経質になっていた。 譲ることは出来なかった。 結局、この依頼は叶わなかった。 しかも、「それは私達が決める事だから、あなた(私)は気にしなくていい」という一言もお土産となった。 何が残ったかと言えば、好感触よりも不信感だった。 私の気持ちはオファーに向かなかった。 それから半年後、担当外が予定されていた上級管理職が現職のまま居座っているとの情報が入った。 やはり・・・・、それが本音だった。 私がオファーを取った時が、この方に担当外を知らせる時。 担当外を拒否する可能性もあった訳だ。 リスクはやはり存在していた。
全て上手く行っていたが、最後の最後、しかも双方が求めている条件以外の部分でご破談になった。 長い人生では色々な事がある。 数少ない転職事例でこんな事も起こる。 だから悔やむ事より、受け入れる事をしないといけない。 縁が無かっただけだ。 この結果は必ず次の良縁に繋がると思う以外にない。 一つだけ言える事、それは”納得がいかない内容に応じる必要はない”という事。 人生は一度きり、だから振り返らず拘って先に進んで行けば良い。
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